最初に言っておくと、アカエイは捕まえられなかった。だから食えてもいない。残念。
だけど、それまでのアカエイストーリーと、アカエイを捕まえる代わりにやったことをお伝えしようと思う。
穴が開いたアカエイの死骸を見て興奮したりしました。
(※この記事には生き物の死骸の写真が出てくるので、苦手な方は読み進めないでください。)
アカエイは害獣
知り合いの榊原さん(通称バラさん)に、突然「アカエイを突いて食べてみない?」と誘われた。 突然すぎるお誘いだが、突然以外に誘い方のないイベントである。 もちろん答えはイエス。だって突いてみたいし、スーパーにはいないから。
バラさんは趣味で自宅に工房を備えていて、カブを直したり木の食器を作ったりしている。 このあいだトライアスロンもしていた。 その他いろんなことをしていてすごい。
バラさんは、トレーニングで海を泳いでたら目の前をアカエイが通って、捕まえてみたいと思って地元の漁協に許可まで取ったという。 バイタリティにあふれたエピソードである。僕なら許可を取る時点でめんどくさくて諦めてしまう。 古代に漁協はないから、原始人だってそこまではしていない。
念のため言っておくと、海で釣りをするのはセーフだし、モリで魚を獲るのもすべてアウトというわけではない。
地域ごとに定められている獲物(美浜だと貝類・タコ)がだめで、それ以外はOK。
なので実際はアカエイを獲るのに許可はいらないのだけど、やはり密漁をしていると間違われることがあるみたいで、それを避けるために確認をとっておいたという感じである。
さらに詳細を聞くと、水産庁に問い合わせたりしていて、とにかくバラさんの対応が徹底していた。なにかを捕まえて食べようとしている人は、バラさんにアドバイスをもらったほうがいい。
アカエイはアサリ等の海産資源を食べてしまうので害獣なのである。
写真左の平野さんは、わざわざこの日のためにTシャツを自作していた。すごい。
実はアカエイのしっぽには毒のあるトゲがあり、刺された場合最悪死に至るらしい。
アカエイは英語で「STINGRAY」という。刺してきそうな名前である。
もともとアカエイを捕まえるために海岸に来た。わざわざ家から海パンも履いて。 なぜできなかったかというと、「海の水が濁っていたから」だ。これでは標的が見えない。
仕方ない理由である。気合いで海の水が澄んだりはしない。 するなら気合いでやっていた。 ただそれにはモーゼくらいのパワーが必要になる。
ちゃんと海のようすを見るのを忘れていたけど、パッとみた感じではうすい味噌汁みたいだったと思う。 逆にちょっと泳ぎたくなる水である。
でもいつもは1m先のアカエイが鮮明に見えるほどの澄み具合だというから、ぜひ海の調子のいいときにまた来たいと思った。
海岸に繰り出す
海へ来て、泳ぐ以外にできるアクティビティがある。 それはビーチコーミングだ。
海には入らないから私服でもスニーカーでもできる。着替えのパンツを家に忘れたって平気である。
ビーチコーミングとは、海岸に落ちている漂着物を観察したり収集することである。 簡単にいえばゴミ拾いみたいなものであるが、おもしろさが格段にちがう。
こんなもの、都会にいたら絶対に見れない。穴があいて中がぐちゃぐちゃしていた。 よくわからない自分の中のなにかが叫び声を上げているのがわかる。
この興奮を伝えたいけど、まったく伝え方がわからない。ガリガリ君が値上げした時とも違うし、和田アキ子が高校の文化祭に来た時とも違う(来てないけど)。
まあでも誰かが困っているわけでもないので、伝わんなくてもいいかという感じである。 僕はこのあと映画1本を見終わったときくらいの満足感だった。
こちらもうげぇとなるものだけど、やはりじろじろ見てしまう。
意味もなく死因を探ってしまうが当然よくわからない。ばかな探偵になったみたいだ。毛利小五郎はこんなことをしてお金を稼いでいるのでずるい。
さっきと同じ鳥だけど、こんどはさっきのよりも時間が経っていて骨が丸出し。
こうなったとたんにケンタッキーを思い出してしまうのは自分でも悔しい。
このほかにも、ウマヅラハギみたいな魚や陸のカメの死骸もあった。
平野さんは「人魚の死骸とかないかな〜」と言ってたけど、それはちょっとどうだろうと思った。半分人間である。
海岸で生き物の死骸を発見するのが楽しくて冷静さを失った人の発言である。それだけ楽しいということでもあるけど。
死骸だけじゃない
このままだと海岸が死のテーマパークだと思われてしまいそうだが、もちろんそれ以外にもおもしろいものがある。それは流木だ。
ホームセンターには売ってないような木が、海岸にはごろごろしている。
3人とも木工が好きだったので、とにかく流木を探して歩き回っていた。どうやって使えるかを考えたり、「この曲線がいい!」とか言う。
ちょっとオタクの世界かもしれない。
このでかい流木を見つけたとき、「これで巨大パチンコつくろう!」といってめちゃめちゃ盛り上がっていた。 だけどこれ、あとになって結局作らないパターンである。いま記事を書いていてやる気が半分くらいしかない。
こういうことは飲み会の終わり際とかによくある。
それから、ビーチコーミングのコツは、おもしろいものを物色する前にちゃんとゴミ拾いをしておくことだと思う。
そうすることによって「この海岸にとってちょっといいことしましたよ」感を醸し出すことができる。
つまり胸をはって歩ける(気がする)。
ゴミ拾いをしないでただ海岸を物色しているとちょっとどろぼう気分である。
ただし、ちゃんと集めたあとのゴミをどうするかを考えておかないと困る。
今回はバラさんがいつも置かせてもらっているという場所があったので助かった。
当然ながら海岸には生き物の死骸や流木などのお宝以外にも、ふつうのビニールごみやペットボトルなどのごみが大量に落ちている。
とくにビニール類はウミガメがクラゲと間違えて食べてしまうようである。その話を聞いていっぱい拾いたくなった。
それら以外では靴もけっこう見つける。
過去、バラさんは親子でごみ拾いをしていたときに「抱き枕カバー的なもの」を見つけてしまったそうだ。
しかもちょっといやらしめのやつ。気まずい状況だ。
そういうアイテムは男だけのときに見つかってほしいアイテムである。今日みたいな。
それから、海岸では楽しいことだけではない。
転回しようと思ってハンドルをきっていたら、間違えて砂浜に入ってしまった。
左後ろのタイヤが空回りする。
この日は寒いくらいだったのにいっぱい汗をかいた。
このとき平野さんとバラさんは別の場所にいたので参った。
海に入ってないのに溺れたみたいな状況である。
その後、数分して不審に思った2人が来てくれてなんとか助かったけど、一人だったらだめだった。車が。僕はたぶん、とりあえず車を置いて帰る。
アカエイリベンジに向けて
海岸は海岸でおもしろいけど、やっぱりアカエイを捕まえて食ってみたい。
アカエイ捕獲の適期は10月いっぱいみたいで、しかも潮の調子もある。僕は今年は予定が合わなくてもう参加できない。
よってアカエイリベンジは来年となる。
それまでに居酒屋のエイヒレで満足しちゃわなければいいけど。
ツイート