この紙袋のデザインと配色、どこかで見たことないだろうか。 そう、トリエンナーレだ。あいちトリエンナーレ2016のマークにそっくりなのだ。 こんなところにまでトリエンナーレが浸透してるのかと思って、びっくりした。(これはたぶんトリエンナーレ関係ない)
あいちトリエンナーレとは、3年に一度開催される現代アートのお祭りである。知らない人は各自ググってね。 今年の8月からずっと、愛知県内はどこもかしこもトリエンナーレだった。 僕はなんとなく気のりしなくて(あとお金がなくて)あまり行かなかったのだが、それでもあちこちでトリエンナーレが盛り上がってるな、とは認識していた。
しかしこの数カ月、どこもかしこもトリエンナーレ過ぎて、もはやなんでもありじゃないのかという気がしてきた。 なんかアートっぽいイベントがあったりすると、だいたいそれはトリエンナーレがらみだ。 とりあえずなんでもかんでもトリエンナーレってことにしとこうみたいな状態になっている。 なんでもかんでも「大人の」と付けて高級感を出そうとするお菓子メーカーと似ているかもしれない。 だからこそ、ただのファミチキにも「まさかトリエンナーレか!?」とびびってしまったのだ。
しかし、逆にこれはある仮説を我々に提示している。 トリエンナーレって言っちゃえば、なんでもトリエンナーレになりうるのではないか? というわけで、この記事ではそれを検証してみよう。
トリエンナーレをつくろう
というわけで、いろいろと勝手にトリエンナーレに仕立て上げよう。 いろんなものをトリエンナーレにするにあたって、それがトリエンナーレたることを証明するものとはなにか考えてみた。 すると、それはどうやら「トリエンナーレのマークの存在」らしいと分かった。
というわけで、トリエンナーレのマークを付ければ、それすなわちトリエンナーレだという証拠。
堂々とトリエンナーレだと名乗ることができそうだ。
実際にやってみよう。
まずは、先ほどのサンバのお姉さんとスフィンクス。
そこに、トリエンナーレのロゴ(さすがにまんまだと怒られそうなので「っぽいもの」)を貼りつけてみると、
難解でハイセンスなパフォーマンスアートの出来上がり。
また、このなんの変哲もない自撮り。
ここに、トリエンナーレのロゴ(っぽいもの)を貼り付けてみると、
アーティストっぽくなる。人畜有害なただの大学生が、小難しい芸術用語を発してもおかしくなさそうになった。
さらに、その辺の生垣に僕のトートバックを放り投げただけのこのよく分からない写真。
これも、トリエンナーレマークもどきを付けてみれば、
いっぱしの現代アートっぽくなるのだ。
めいだいトリエンナーレ2016
トリエンナーレのロゴを貼りつけると、変な状況の写真はパフォーマンスアートに、人物写真はアーティスト写真に、よく分からない写真はアート作品に見えることがわかった。
要するに、トリエンナーレっぽくなるのだ。
せっかくなので、名大の中にあるいろんなものをトリエンナーレにしてみよう。
めいだいトリエンナーレ2016の開幕だ。
メイン会場は名古屋大学東山キャンパス。 緑と住宅街に囲まれた最高学府。本山原人の言い伝えが残る、由緒正しき地域。 特産品はノーベル賞。
この会場の特徴は、アート作品が日常の中によく溶け込んでいることです。 溶け込みすぎて、この作品の下では新入生たちが昼ご飯を食べたり、時たま思い出して「なにこの変なの」「さあ」と5秒ぐらい話題にしたりするほどです。
これは一体何なんでしょう。学生でこれの正体を知ってる人いるんですか?
しるこサンドは本物のあいちトリエンナーレでももらえたようです。ちょっとほしかった。
最近芝に寝っ転がってすべてを投げだすのにはまっていたのに、養生中になってしまいました。休むべきなのは人間ではなく芝の方だというのでしょうか。
他にもいろいろありそうですけど、僕から紹介するのはここまで。みなさんも自分のトリエンナーレを探してみてください。
トリエンナーレは終わらない
8月11日から行われてきたトリエンナーレも、10月23日に閉幕を迎えた。この記事を書いたのは10月23日の夜なのでギリギリトリエンナーレ期間中だが、記事がアップされる頃にはトリエンナーレは終わっていることだろう。 だが、3年後まで待つ必要はない。もうこれで僕たちはいつでもトリエンナーレを作り出すことができるということが分かった。 僕たちの手でトリエンナーレを作り出そう。 そう、僕たちが望めば、そこはもうトリエンナーレなのだ。
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