大学生の自由研究
記事タイトル
記事の科目
2016/05/24
書いた人:カワセ

画像

綺麗な田舎が見たくて


岐阜県在住の僕は普段、JR中央本線を通学に利用しています。岐阜県と愛知県にまたがる路線なので、学校に向かう時には田舎から都会、帰る時には都会から田舎への緩やかなグラデーションを楽しむことができます。


かれこれ1年間以上この路線を使い続けていますが、とある駅に停車するときだけは手元のスマートフォンをポケットにしまい、窓から見下ろす景色にしばしの間目を奪われます。そこには山々に挟まれて流れる大きな川があり、頭上の緑をすり抜け差し込む日光を乱反射して、いびつに、しかしやさしく光っているのです。その駅が、古虎渓駅です。どうしても気になる場所だったので、学校帰りに電車を降りて駅の周囲をぶらついてみました。そこは、確かに田舎でした。








想像を超えるさびれ具合


古虎渓駅を出てすぐの坂道を下って短いトンネルを抜けると橋があり、その向こうは空き家でした。駅の最寄りが廃墟。こういう建物、「ほんとにあった! 呪いのビデオ」によく出てきますよね。


画像

お手本のような廃墟


画像


トンネルの脇から伸びる道は人の手が入った形跡こそありますが、基本的に草がすくすくと伸びていて今にもヘビやトカゲなど出てきそうです。


画像

マムツ キヲツケロ


言っているそばからこんな警告文。「マムツ」のせいか写真で見ると少しばかりコミカルにも見えるかもしれませんが、これをはじめて見たとき、僕は心底ゾッとしました。



橋の町・古虎渓


画像


県道らしき道に出ると、「ここけいはし」の文字が。周りにはもっと大きい橋もあるのに、そこそこなサイズの橋が古虎渓橋を名乗っていました。それでいいのか、もっと大きい橋。


画像


川に沿って山を登っていくと、道の脇に小さな橋がありました。どうやら見た目以上にチープな作りのようで、上を歩いてみると板がガタッと音を立てて揺れました。吊り橋を渡るわけでもないのに、尋常ではないドキドキを感じます。


画像

一面の緑


橋を渡った先には公園のような広場がありました。しかし一面雑草だらけで、人っ子ひとりいませんでした。僕が子どもだったとしても、こんなところで遊ぶくらいなら家でポケモンや妖怪ウォッチに精を出すと思います。


画像

「ボロボロの人工物と生い茂る緑」という組み合わせを見ると「ファイナルファンタジーVII」のゴンガガや古代種の神殿を思い出す


画像


また橋です。よく見ると川が分水してから再び合流しているので、このように橋をいっぱい建設する必要に迫られたのだと思います。ちなみに、この橋の向こうにはトンネルがありました。


画像

岩でできていて中は薄暗かった


このトンネルは昼間とは思えないほど暗く、天井から水が滴っていたため小心者の僕はなかなかここを通り抜けるという選択をすることが出来ませんでした。


数分間の躊躇ののちに「この先に何が待っていたとしても驚かない」と意を決して小走りでトンネルを抜けると、そこにあったのは小料理屋さんの駐車場でした。


「何事も無くてよかった」という安堵と「なんか違う! もっと、こう、なんか……」という煮え切らない感情が自分の中でせめぎあうのを感じながら引き続き山の上へと歩いていきます。



自然という名の暴力


延々と続く坂道を上り続けていきます。どこを見ても森と水しかないので、1時間も歩くと景色にすっかり飽きてしまいました。


画像

急カーブの標識が見にくくて危ない


画像

このような露出した岩肌を見ると「ファイナルファンタジーVII」のウータイでユフィがマテリアを根こそぎ盗っていったことを思い出す



旅の終わり


画像


電車を降りてから1時間半ほど経った頃、スクールゾーンにたどり着きました。人、いるんですね。小学校の下校時間がはじまって子どもたちに怪しまれてしまう前に退散しました。


画像

こんどはキレイな公園だ






見知らぬ田舎は美しくてさみしい


知らない土地を歩き回ることにはそれなりの時間(物置の掃除1回分)と大きなエネルギー(卒業式7回分)を消費しますが、その分胸躍るような光景やノスタルジックな感覚を楽しむことができるのでおすすめです(しかし田舎だと怖い思いもたくさんします)。みなさんもどこかでフラフラしてみませんか?


画像

ノスタルジックな町の全景






inserted by FC2 system