大学生の自由研究
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2015/02/11
書いた人:江坂 大樹

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100円の回転寿司店に新幹線が導入されてから久しい。そろそろちびっこのテンションもストップ高だろう。


そろそろ寿司が空を飛んでもおかしくないので飛ばしてみた。


久保と一緒にやりました。)








おじいちゃん、おばあちゃんも期待


ちょっと前までは新幹線に乗って運ばれてくる寿司が目新しくて、ちびっこも寿司を注文してはキャッキャ言っていた。しかし今や寿司を運ぶ新幹線も世にあふれかえって、キャッキャ言うのは外国人旅行客だけになった。


だからおじいちゃんおばあちゃんが孫を喜ばせるために回転寿司に連れて行っても、もうちびっこは驚いてくれないのだ。


孫の喜ぶ顔が見たいおじいちゃんおばあちゃんも、寿司が空を飛ぶことを切に願っているに違いない。


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今回はロープウェイで行きます



滑らない


寿司を飛ばすため、皿を改造して紐を引っかけられるようにして、紐でつるした皿をロープで滑らせることにした。


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またホットボンド


ホットボンドはすぐに固まって接着が簡単にできるので、いんちき工作をするときには非常にお世話になる。(ただし耐久力はいんちき)


皿が出来たら、十分な高低差と距離を確保できる公園へ。まずは空飛ぶ寿司の気持ちを理解するために、ターザンロープでひとしきり遊ぶ


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いらない工程


この日は最高気温が5度くらいで、公園での作業は相当寒かった。なのに久保は束ねられていたロープをくしゃくしゃにして絡ませている。


途中から僕も手伝ったが、指がかじかんでまともにロープをいじれないので、ほどくまでにだいぶ時間がかかった。


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凍えてしまうよ


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ほどけたロープは遊具に結ぶ


寿司が空を飛ぶためのロープが張られた。ここに皿を吊り下げて、それがうまく滑れば成功だが、うまくいかなければ寿司が蟻のものになってしまうので、一応寿司はまだ載せない。


やっぱりうまくいかなかった。ロープを揺らしてきっかけを与えても、皿はゆかいに宙で踊り狂うだけだ。まだ2月で、昼間はちびっこが公園にいないので助かった。


僕らが失敗を気にしなくても、ちびっこは無差別に他人の失敗をはやしたててくるので困る。年齢が20を超えた僕でも、ちびっこにばかにされると「ワーッ」と大声を出したくなる。(子供か)


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あまりの寒さに耐えられず、ひとまず撤収



滑車が世界を変える


なんとなくの流れで昼飯を探して、気づいたら回転寿司屋にいた。


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久保はサーモンばっかり食う。前世は熊か


やはりロープだけではだめだ。なにかロープとロープを滑らかにつなぐものが必要だと考えていると、ふとターザンロープが頭に浮かんできた。あれにはたしか滑車が付いている。これだと閃いた。


あの時のターザンロープは必要な工程だったのだ。コナンみたいに散り散りの伏線を回収して、気分は名探偵だ。


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近くのカーマで買った。150円くらい


これをカーマで見つけたとき、まさに求めていたものが見つかった喜びで久保がエキサイトしていた。大声で「滑車が世界を変えるぞ!」と店内で叫んだので、きっとばかだと思われた。



皿が割れた


心機一転ロープウェイを作る公園を変えたら、すでに15時を過ぎていて、学校が終わったちびっこたちが公園に集まっていた。なかなかにまずい状況。曇りなき成功が早急に求められる。


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風が当たらないところで3DS


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見つかるまえに早くやろう


滑車を使った寿司ロープウェイの一発目の動画がこちら。


また止まった。どうやら高さとロープの張りが足りずに滑車の動きが止まってしまったようだ。


ちびっこもこちらには気づいてない様子でゲームで盛り上がっている。僕の知らないワードが飛び交っているのでポケモンではなさそうだ。妖怪ウォッチだろう。


順調だ。このまま何回か試して、成功してからちびっこを集めればいい。失敗は見られるとまずい。高低差を広げてもう一度やってみた。


ロープをいじっていたらちびっこが集まってきてしまった。ちびっこは空中の皿を見て「なにこれ?」と聞いてきたので、適当に「これはUFOだよ」と答えた(うそがへた)。


今度は皿がいいスピードで滑った。その様子を傍らで見ていたちびっこもいい反応だ。しかし僕まで見とれてしまって、皿をキャッチするのを忘れた。皿はロープがつなげてあった木の形をした遊具にぶつかって砕けた。


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頑丈なところに当たって割れた


皿を割ってしまった僕に対して、ちびっこたちの非難が殺到した。「社会人になってまで皿を割るのかよ・・・」「そんなこと(皿が割れること)もわかんないの?」


返す言葉も見つからず、20歳新成人という年齢の重みが心にのしかかった。砕けたのは皿だけではなかった。



寿司が空を飛んだ


皿を滑らすことはできたので、コンビニで助六を買ってきて皿に乗せて、寿司を飛ばした。ちびっこたちは、皿を割った情けない大人を離れてまたゲームをやっている。


空を飛ぶ寿司は、想像以上の興奮ものだった。動画中の僕の喘ぎ声と雄叫びからも、その程度が見て取れると思う。


大学に受かったときにもこんな声は出なかった(受かった時は心の中で静かに興奮した)。つまり寿司が空を飛ぶことで、人は高校3年分よりも興奮できるのだ。






寿司が飛ぶ時代が来る


これだけのインパクトのある寿司ならば、ちびっこも笑顔になるだろう。年齢の壁を越えておじいちゃんおばあちゃんも驚くレベルだ。


しかも既存の技術で十分に可能である。今後は回転寿司業界から目が離せない。


板前視点バージョン






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