畑を起こすスピードについて調べても、どこにも書いてない。
時速何キロか調べてみた。
いまだ謎めく”スピード”
「開墾 スピード」とかのキーワードでwebページを検索しても、出てくる記事には「〇〇倍のスピード」とか、「スピードが速くなる」「スピードが遅くなる」としか書いてない。抽象的にもほどがある。
もしかしたらおばあちゃんがかっぱえびせん一袋を食べきる速さと比べているのかもしれない。それだとたとえ10倍のスピードでもまだ遅い。
畑を起こすスピードはわからないままでもいいのか。いや、わからないと困るときがある。学校の宿題で100㎡の土地を開墾せよ、とかいう宿題が出たら困る。
本気だせばどうせ最後の1日でできるだろうと思ってたら、1日かけても20㎡しか開墾できなかった。答えを写すなんていう得意のテクニックも使えるわけないので、9月1日はしかたなく休むことに。
もし1日で100㎡はキビシイとわかっていればこんなことにはならない。よかった需要あるじゃん。
開墾のスピードを求めよ
実際にクワで畑を起こして調べてきた。
開墾のスピードは時速22mなのだ。
実際に開墾した体験をもとに、その計算過程を示そう。
まず開墾してみる
ほぼ丸一日かけて実際に開墾してきた。開墾するのは数年ほど使われていなかった畑。イネ系の草が好き放題に根を伸ばしているので、土が尋常じゃないくらい重い。
基本的に普段はパソコンしか触ってないので、突然クワをにぎり始めて僕の手がびっくりしたのだろう。手にはもう水泡ができ始めた。腰もきしんでいるのが聞こえる(気がした)。
畑仕事はなかなかの重労働だ。だんだん連続でクワを振るのがきつくなってくる。
小休憩でどうにもならないときは、家の中に逃げ込んでお茶を飲んだり、畑にある草の山の上に寝そべったりして、10時くらいから始めてなんとか16時くらいまではクワを振り続けた。
1秒に3㎝進む
結局耕せたのはこれだけ。
耕せた面積は、だいたい12m×7m×7mの三角形だ。この面積を計算すると、約22㎡となる。
10時から16時までの間で、1時間は昼休憩に使ったから、5時間で22㎡を耕したことになる。これを、5時間の間僕が時速○○mで進むことにより22㎡の面積を耕した、という結果になるような僕の行動パターンを考えればいい。
20回クワを振ったあと、40秒休むという一連の動きを1ストロークとする。クワを1回振るのには3秒かかるので、1ストロークにつき100秒である。
また、クワの幅は20㎝で、1回振ると土を3㎝削れる。よってクワを1回振ることで耕せる面積は60?=0.006㎡である。1ストロークでは0.006×20=0.12㎡。
僕はだいたい1時間ごとに1回、5分くらいの休憩を入れたので、1時間のうちの55分間ストローク行動をしたことになる。55分(=3300秒)で33ストロークなので、1時間で0.12×33=3.96㎡耕せる。
これを5時間繰り返して、5×3.96=19.8㎡。これで22㎡に近い値が出る。
つまり、1ストローク(100秒)で0.6m進んだ。これを時速で考えると、僕の耕すスピードは時速約22mという結果が出る。㎞に直すと、時速0.022キロ。(超遅い)。
僕は現在写真のとおりの体型で、特に運動もしていない。だからガチガチのスポーツマンだったら時速30mくらい出るだろう。逆に貧弱な人だと時速15mとかになるかもしれない。
東京まで1年ちょっと
いまいち耕す速度が時速22mと言われてもわからないと思うのでいくつか例を挙げよう。
例えば僕が名古屋から東京までを耕して進むとしよう。名古屋と東京の直線距離は大体260㎞だから、単純に計算して約11818時間。つまり492日と10時間だ。
ちなみにこれは休みを全く入れず、24時間ぶっ通しで耕す計算である。
地球を耕す
また、地球上の陸地のすべてを耕そうとしたらどうなるか。
地球の陸地の総面積は147244000km2である。時速22mなら1時間で4.32㎡耕せるから、地球を耕し切るのに約34084259259259時間かかる。これはだいたい1420177469135日、つまり3890897175年と260日だ。
ただでさえ耕し続けていたら寿命が縮まりそうなのに、すごい数字が出てしまった。地球上に生命が誕生したのが40億年前くらいだと聞いたら、その数字の恐ろしさがわかるだろうか。
もしかしたらこれは、耕すという生命を維持するための行為が生命誕生まで遡る年月を示すことで、我々人類が破滅へと向かっていることを暗示しているのかもしれない。こういう映画があったら見たい。耕してたら人類が滅びたストーリー。
一応言っておくと、どれだけ人数をかけてもいいから1年で全世界を耕したい場合は39億人で足りる。そう考えるとちょっと簡単に聞こえる。全然簡単じゃないけど。
畑仕事界に希望の光
いままで謎に満ちていた開墾のスピードがついに明らかになった。これからは荒れた土地を耕すのにどれくらいの時間がかかるかを心配する必要がなくなったのだ。
農業の未来がちょっと明るくなったのを感じた。
ツイート