大学生の自由研究
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2014/10/29
書いた人:江坂 大樹

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名古屋駅といえば、これ


名古屋駅には金の時計があって、よくそこに待ち合わせをしたりしている人々が集まっている。金時計は名古屋駅のランドマークとなっているのだ。


ただ立って時間を示しているだけなのに人気者みたいだ。


時計になりたい。








銅は空いている


名古屋駅には金時計、銀時計があり、どちらも待ち合わせ場所として定着しているが、銅時計はない。


ちょうど僕のための枠が空いている。なので銅時計になった。


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いつもの名古屋の風景が


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こうなる



まずは金時計に行ってみる


手始めに金時計へ向かった。ここで僕が銅時計になったのが活きてくる。


もし僕が金時計の人気につられて金時計になってしまうと、にせものだとばれて人気が出なくなってしまう。例えば戦隊ヒーローなら、突然途中から現れるもう一人の赤色は、悪役がなりすました偽物なのだ。逆に黒色が現れた場合そいつは仲間だったりする。


だからあえて銅時計になって仲間としてのポジションを確立して、人気者になろうという作戦だ。ちょっと悪役っぽい。


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突然金時計のもとに現れる銅時計。仲間だよという空気を漂わせながら


しばらく構えていたが、なかなか人は集まらない。時計は人気者ではないのか。


時計は人気者のはずなので、きっと怪しいと思われているか、敵だと思われているかのどちらかだ。


そこで作戦変更。


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いつもの待ち合わせスタイル


なるべく自然なたたずまいで怪しまれないように、手すりに腰かけてみた。ただ、この時点で時計の仲間になるのか人の仲間になるのかがよくわからなくなっている。


しかしこのスタイルの効果があったのか、隣で待ち合わせをしていたおばちゃんたちがどうやら新しく名古屋駅にできたランドマークの話をしている。


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僕の話で盛り上がっている


会話をよく聞いてみると、「なにこれ」「時計?でも今は10時半だから、全然合ってないじゃない」と言っていた。しまった。肝心の時計を合わせるのを忘れていた。


これ、どう考えても偽物が敵だとばれるパターンだ。やっぱり敵だと思われていたのだ。


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堂々と30分遅れた時刻を示す銅時計



人だらけの銀時計


次は金時計と並んで人気の銀時計。思ってたより人が多くてその人気っぷりに圧倒される。


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これぞ人気者の証


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銀時計に負けない存在感


銀時計は背が低いので、目の前に立てた。もしかしたら銀時計より人気になってしまうかも、とうわついていると、不思議と僕の周りには人が全然いなくなってしまった。


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人気者の銀時計を前に、孤独な銅時計


集まるどころか人が避けてゆく。確かにそこに銅時計はあるのに、誰もその存在に触れようとしない。タブーが具現化したみたいだ。



苦悩の末


ランドマークとして認められなかった僕は、やがて人々の喧噪に追いやられて公園にたどりついた。


すると集まってくるのだ。


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ハトが。


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エサに。


時計は孤独だ。






時計の気持ちがわかった


時計には人が集まっているので人気者なのかと思っていたが、そうではなかった。


普段どんな気持ちで時計が時刻を示しているのか、そのことをよく考えてほしい。


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近づこうとしたら逃げられた





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