夏といえば祭りだ。夜店が並び、花火が上がったりする。
祭りといえばゴミだ。とにかくたくさんの人が来て、ものを買って食べては包み紙をそのへんに捨ててしまうので祭り会場はゴミであふれる。
今回はそんな祭りのダーティな部分にスポットライトを当ててみました。
超盛り上がっている祭り、の後
実のところ、わざわざゴミの写真を撮るために自転車を45分もこいで祭り会場にいったのではないのだ。
もう何年も夏祭りには行っていない。本当は人が動けなくなるほどだと噂の人ごみを写真に撮りたかった。
ではなぜゴミの写真を撮ることになったかというと、僕が寝坊したせいで出発時間が遅れたからだ。会場に到着した時にはすでに祭りは終了していて、人々は帰宅するためにすでに会場から放射状に散ってしまっていた。
ゴミを見れば祭りがわかる
祭り終了後、すでに会場は暗闇に包まれていて、足元にはなにかがあるのはわかっても、それが何なのかは分かりづらい。
歩きながら地面を見て、あれは!と思ってフラッシュをたいて写真を撮ってみると、思っていたものと違ったものだったりする。
そこに人や露店がなくとも、気分は夏祭りなのである。
露店はすでに看板を片づけてしまっていたので、どんなお店があったのかは全くわからなくなっていた。
しかしゴミを見ることによって、祭り会場にあったであろう露店を想像できるのだ。
お金がなくてもお祭りを楽しめるというのが、祭りのあとの醍醐味でもある。
夏祭りには危険がいっぱい
祭りというのはやんちゃな人が集まりがちで、ちょっと危なそうなイメージを持つ人もいるだろう。僕が会場にいるときにも1台の救急車が現れてちょっと怖かったので逃げた。
今回行った祭り会場にも、例にもれず危険なニオイがただよっていた。
あのネコっぽい人気2キャラが同じパッケージに描かれている。レア度(危険度)3だ。
青い方のネコは、ちょっとおしい看板を持たされている。やはり本当に持ちたい看板は「どら焼き」だろう。
白い方のネコは、「元祖」と書かれたうちわを持っているところが皮肉っぽくておもしろい。白いネコが元祖なのか、かすてらが元祖なのか、もしくはその両方が元祖なのか。もちろん読んでいる人には答えがなんなのか想像がつくと思う。
祭りの通りから外れた芝生地帯の机の上には2本のお酒の瓶のようなものが置かれていた。
僕が写真を撮ろうとして近づいたら、足元がものすごくぬかるんでいて靴がびちゃびちゃになった。久しぶりに味わった小学生の雨の日の下校のような感覚。でも気分は不愉快だ。
祭りのあとには、こういう若者の甘い心に付け込んだ汚い罠が仕掛けられていることもあるので注意が必要だ。
食べ物の物語
夏祭りの露店で売られているものといえば食べ物系だ。特に好きでもないのに無性に食べたくなるものもある。
それらには祭りのあとでも出会うことができる。
夏祭りで食べてみたいけど買わない商品ナンバー1のりんごあめだ。
見た目はおいしそうなのに、食べるとそうでもないのがズルい。中はただのりんごなのだ。そしてデカい。祭りでは他のものも食べたくなってしまうので、りんご丸ごと1個は量が多すぎる。
今まで完食してる人を見たことがない。きっとりんごあめは神にその運命を定められているのだ。そんなりんごあめが捨てられてしまうのは仕方がないことなのかもしれない。
祭りの定番のイカ焼きなんかは、一口もかじられることなく無傷で落ちていたりする。イカは結構固いわりに串にユルっと刺さっているだけなので、かみ切ろうとした時に串から抜け落ちてしまったのだろう。
鉄板の上から逃げ出してきたイカのようにもみえる。「およげたい焼きくん」ならぬ「およげイカ焼きくん」だ。
やっぱり本物の祭りがいい
祭りのあとの面白さをわかっていただけただろうか。
僕が祭りのあとの様子を見て思ったのは、やっぱり祭りの最中に来たかったということだ。盛り上がっていないというのはどうしても寂しくなる。
これからは寝坊には十分気を付けよう。
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