セミが怖い。
この時期になるとたくさん現れて鳴いている奴ら。
不意に木に近づくと、突然奴らが飛び立つのでそのたびに心臓が止まりそうになる。わかっててもビビる。だから怖い。
奴らのせいで夏になると毎日ビクビクしながら生活しなければならない。セミに勝てるなにかいい方法はないだろうか。
そこで思いついた。「モスキート音」はどうだろう。
モスキート音とは、周波数の高い若者にしか聞こえない音のこと。モスキートとは蚊のことで、蚊が飛んでいる時のような音がする。
昔どこかで聞いた話。あるコンビニの前で若者がたむろするので困っていた。そこでモスキート音を鳴らすと若者が集まらなくなった、らしい。調べてみたらモスキート音による若者撃退システムなるものまであった。つまりそれだけモスキート音は”効く”ということだ。しかもシステム化までされていては若者も堪ったもんじゃない。
これってセミにも効きそうじゃないか。セミだって僕たちが聞こえるのと同じ周波数の鳴き声でアピールをしているのだ。もしかしたら蚊の音が嫌いかもしれない。
近所の神社へ行く
さっそくiPodTouchとスピーカーを持って近所の神社へ向かった。やはり決戦の地としてはセミが多い場所がふさわしいだろう。
予想通り神社ではたくさんのセミが鳴いていた。しかし探してもなかなかセミは見当たらない。なぜかセミは木の低いところには全然いなかった。高いところばかりで鳴いている。
モスキート音をセミに聞かせる
今回使うのは、「トーンジェネレーター」というアプリ。10Hzから25000Hzまでの音を出すことができる。
セミはどのくらいの周波数まで聞こえるのかよくわからなかったが、とりあえず人間が聞こえる周波数の音で試す。実際に僕が聞こえる音の限界を調べたら15000Hzくらいだった。
この時点で僕は様々な周波数の音を何度も聞いているので、すでに頭が痛くなってきている。セミの鳴き声がうるさくてモスキート音がうまく聞き分けられない。
いつもは僕が一方的に鳴き声を浴びさせられているので、今日は僕がセミにモスキート音を浴びせる。
セミにモスキート音を聞かせてる様子は動画でどうぞ。
動画の終盤で映像が乱れているのは、セミにオシッコをかけられたからだ。セミが飛び立つ瞬間にオシッコをするということを完全に忘れていた。
映像にセミが飛び立つ瞬間は映っていないが、オシッコをかけられたということはセミが飛んだということだ。これはモスキート音がセミに効いているということじゃないのか。
再びモスキート音を鳴らす
15000Hzだと寿命が近いおじいちゃんセミには聞こえないかもしれないので、今度は周波数を下げて7000Hzの音を鳴らす。
またオシッコをかけられた。やっぱり効いているんだろうか。でもこの木にいるセミが全部逃げるとしたら僕はもっとオシッコまみれになるはずだが、そうはなっていない。
今度はオシッコをかけられなかったし、セミに逃げるようすはまったくない。こうしている間にも僕の頭はセミの鳴き声+モスキート音のダブルパンチでおかしくなりそうな状態だが、セミは我慢しているんだろうか。
よく見てみると、モスキート音を鳴らしていない時も普通にセミは飛び立っている。オシッコもかけられた。
退散
だんだん僕はオシッコまみれになってきて、しかもセミの鳴き声とモスキート音で頭の痛さも限界に近付いてきたので、帰ることにした。今回は僕の負けだ。
もしかしたら僕がセミに撃退されていたのかもしれない。
まとめ
セミにはモスキート音はたぶん効かない。
わかったのはセミはモスキート音が嫌いじゃないか、聞こえてないかのどっちかだということだ。後で調べてみたらセミの可聴域は1000~10000Hzらしい。人間は20~20000Hzだから結構違う。今回試した7000Hzのほうは聞こえているはずなので(若ければ)、モスキート音は嫌いじゃないということか。同じ昆虫だし。
結局セミを撃退することはできなかったが、セミは6~7年という寿命の割には成虫になって地上で生活できるのは長くて1か月なのだ。9月になったらもう僕のことを覚えているわけがない(この世にはいないから)。これからはあんまりセミのことを気にせずに、短い夏の間くらい好き放題やらせてやろう。
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