リアルな食品サンプルを作りたい。
しかしリアルな食品サンプルを作るのは難しい。何より難しいのは色だ。僕はいままでに学校の美術の授業で食べ物を作らされたりしたが、形を作るとこまでは「お!意外と本物っぽいぞ」と思って意気揚々と色塗りを始めると、「あれ、なんか違うぞ」となる。
本物が本来より持つ、あの何とも言えない色の感じ。僕は色を作って塗るという作業しか知らなかったので、いつも出来上がるのはおもちゃみたいな食べ物だった。
リアルな食品サンプルを作るにはどうしたらいいのか。よく考えたら、食べ物のもつ色は調理の過程で得られるものもある。たとえば餃子がそうだ。
リアルな食品サンプルを作るにはどうしたらいいのか。よく考えたら、食べ物のもつ色は調理の過程で得られるものもある。たとえば餃子がそうだ。
ならば食品サンプルだって焼いて作ればいい。というわけで、紙粘土を使って食べられない餃子を調理しました。
中身で迷う
今回は餃子の食品サンプルを作るので、基本的に完成品の中身は関係ないが、できるだけ餃子のリアルを追求するために中身もちゃんと作る。
そこで迷った。肉は何色にすべきだろうか?
肉は生だと赤色だが、火を通すと灰色っぽくなる。リアルな餃子作成のために餃子の餡もリアルにしたいが、赤色で作ると生焼けみたいになってしまう(見えないけど)。そうだといって灰色で作ると、調理過程で灰色の食材を使っていて餃子の調理風景としてはおかしくなってしまう。
完成品へのリアルも大事にしたかったが、今回は食品サンプルの「調理」がコンセプトなので、灰色は諦めて赤色で作ることにした。
ちなみに今回の服装は高校のときの体操服。以前ライフマスクを作成した際に石膏に服がやられてありえない汚れ方をしたので、それ以降工作するときはできるだけいらない服(体操服)を着るようにしている。
餃子の皮を作る
紙粘土の持つ素材の色を生かして餃子の皮を作っていく。
餃子の餡をつくる
まず紙粘土に赤色の絵の具を混ぜて肉を作る。
均一に混ざってないのはめんどくさかったからではなく、挽肉の脂身を再現したかったからです。
次に挽肉っぽくするために細かくちぎる。
餃子の餡に入っているアレも作る。
ニラです。
ニラも混ぜた餃子の餡の完成品がこちら。
餃子を作る
作った餃子の皮に、餃子の餡をのせて餃子を包んでゆく。普通の食べる餃子を作っているのとまったく変わらない作業。
あのとき赤色を選んでよかった。作業風景はどうみても餃子、しかも食べる方を作っている風景だ。
しかし失敗だったのは、まな板を使わずにビールを包んでいる厚紙の上で作業をしてしまっている点だ。そのせいで工作っぽさが出て料理感が無くなってしまっている。まな板も買っておけばよかった。
餃子を焼く
生まれて初めての紙粘土をフライパンで焼くという作業。しかも焼いて乾燥させるとかではなく、本気で調理するつもりでいる。
調理さえうまくいけば、リアルな餃子の食品サンプルができるはずなのだ。
餃子は3個しかなく失敗は許されないので、まずは餃子の調理の過程を確認しよう。我が家での餃子の調理法はたしかこうだ。
1.フライパンに油を引いて餃子をのせる
2.水を入れてふたをしてしばらく置いておく
3.水が無くなってきたら、餃子のあたりに油を引く
4.焼き目がついたら完成
ポイントはきっと2の水を入れるところだろう。紙粘土は水でダラダラになってしまうので、水を入れてフライパンの上でおもいっきりジュージューされると溶け出してしまうかもしれない。
カセットコンロ、フライパン、水、油、ターナー、フライパンのふた、お皿を用意。準備は整った。
調理開始です。
この時点でかなりジュージューいってる。思ったよりうまくいきそうだとうかうかしていると、
なにかおかしい。この時点ですでにジュージュー音が異様にでかい。いつもならまだ静かで、水を入れてから大騒ぎになるのに。
しかもフライパンの上の油は一瞬にして紙粘土の餃子に吸収されてしまっている。一瞬煙が見えた気もした。
ヤバイと思って急いでプライパンをコンロからおろす。餃子を見てみると、
せっかく水も用意して、ふたもターナーもこのためだけに買ってきたのに、結局使わずに調理は開始5秒で終わってしまった。
しかし餃子のほうはというと、紙粘土が油を吸ってきつね色になっていていい感じの焼き目がついている。黒い部分は紙粘土が焦げた色だった。もうちょっと我慢していたら危なかったかもしれないが、今回はうまいタイミングで火からおろしたので見た目がかなりリアルに仕上がった。
水を入れてふたをしたあとのドキドキ感も味わえなかったし、調理過程の確認も無駄に終わってしまったが、無事餃子は完成したのでよしとしておく。
実食
作った餃子は紙粘土が素材なのでもちろん食べられないが、リアルさの確認のため食べるフリをした。
どうですか、この完成度。5秒フライパンの上にのせただけとは思えないほど餃子らしさが出ている。
まとめ
食品サンプルの色付けは、調理すればうまくいく。今回は餃子だけだったが、焼く系の料理の食品サンプルはだいたいいけると思う。
着色が苦手な人でも、フライパンを使えば食品サンプルが上手に作れることがわかった。美術の授業で困ったときはぜひ焼くという方法を試してみてください。
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