ある時友人に好きな料理を聞いたら、ミートボールと答えた。とっさに僕は、「ハンバーグじゃなくて?」と聞いてしまった。
これは単純に僕がミートボールよりもハンバーグが好きだっただけだが、ここである疑問が浮かんだ。
ミートボールとハンバーグの違いってなんだ。
どちらもひき肉を丸めた料理だ。ということは、ミートボールを平たくして焼けば、ハンバーグになるはずだ。
調理方法が違う
まずはミートボールとハンバーグについて調べた。
ミートボールについて、「ミートボール - Wikipedia」によると、「ミートボールは、挽肉につなぎと調味料を混ぜ、丸く成形してから、加熱して作る料理である。」とあった。
ハンバーグについて、「ハンバーグ - Wikipedia」によると、「ハンバーグまたはハンバーグステーキは、挽肉(豚肉や牛肉、またはその他の畜肉等を含めたあわせ挽肉)に肉の粘り気を出すために塩とタマネギ等の野菜類のみじん切りと胡椒等の香辛料を加え、パン粉を混ぜ、こね合わせたものを楕円形や円形などに整形して焼いた料理。」とあった。
ハンバーグでいう野菜とパン粉・塩と胡椒をそれぞれミートボールのつなぎ・調味料に対応させれば両者の原材料は同じだ。
Wikipediaの写真では、オランダのミートボールがフライパンの上で焼かれていたが、僕が食べるミートボールはほぼ煮たもののように感じる。
ミートボールとハンバーグの違いは調理方法くらいだ。
じゃあ調理方法も同じにしてみよう。
選手入場
今回ハンバーグに挑戦してもらうのはこの3種類のミートボール。
1つ目は、ミートボールといえばこれ「イシイのおべんとクンミートボール」。
みんな大好き定番のミートボールである。 たまたま通常サイズが売っていなかったので1.5倍のものを購入 トマト系のソースがまとわりついていておいしい。
2つ目は、贅沢感満載「yonekyuデミグラスミートボール」。
特徴は、なんといってもミートボールのデカさ。 スーパーで手に取った瞬間粒の大きさに驚いた。
1サイズ的には最もハンバーグに近い。ハンバーグ有力候補だ。 ソースは王道デミグラスソース。味もハンバーグに似せてきた。
3つ目は、ダークホース的存在「日本ハム炸肉団子(シャーロウワンズ)」。
味つけは中華風の甘酢味。 ハンバーグにはない味だが、はたしてハンバーグになれるか。
パッケージには「うまさ炸(シャー)にあり」と書いてある。 炸(シャー)とは中国語で「揚げる」という意味らしい。 揚げミートボールとしてのポテンシャルは高そうだが、焼いたらだめかも。
調理開始
今回は3種類の肉団子をすべて焼いてから、一斉に味見をしてハンバーグになれたかどうかを検証する。
調理のポイントは、いかにミートボールを平たく(ハンバーグ状に)するかだ。 そのためのアイテムを100円ショップで購入してきた。
頑張って100円ショップ内を探したが、もっともフライパン上でミートボールを潰せそうだったのがこれ。 木ベラも候補に挙がったが、フライパンのふちのせいでななめにしか潰せなさそうだったのでやめた。
まずは「イシイのおべんとクンミートボール」。 袋を開けて、フライパンに中身を全部出す。ミートボールを焼きながらおたまで潰し、できるだけ平たくハンバーグ状にしていく。
意外とミートボールが固い。 おたまで相当な力を入れないとなかなか潰れない。
その一方でどんどん焼かれていく他のミートボール達。 徐々に焦り始める。
おたまが壊れた。
柄を持って潰していた時、うすうす接合部の弱さに気づいていたが、まさかこんなにすぐに壊れるとは思わなかった。 潰す手段がなくなりパニックになる。
とりあえず火を消して落ち着けばよかったのだが、冷静さを取り戻せずそのまま壊れたおたまを素手で持ってミートボールを潰していった。
1品目完成。
ミートボールは潰しただけでは全くハンバーグのような形にはならなかった。 僕はもっと挽肉が細かく崩れて再び平たい形状で固まるようなイメージだったのだが、ただ割れただけの形になった。
きたない感じになってしまったが、しっかりと焦げ目がついていて(焼きすぎ)見た目としてはハンバーグに近づいたような気がする。
1品目の反省を生かして、2品目からはあらかじめミートボールを半分に割り、それを箸でフライパンに押し付けハンバーグの形に近づけることにした。
続いて2品目「yonekyuデミグラスミートボール」の調理に取り掛かる。 1品目は一袋まるまるフライパンに入れて失敗したので、焼きやすい数だけ焼いていく。
特にアクシデントが起こるでもなく、普通に調理できた。
2品目完成。
1品目よりもハンバーグっぽい見た目になった。 こじゃれたレストランだと、こういう丸みを帯びた小さいハンバーグを作ってそう。
最後は「日本ハム炸肉団子」。 これも同じように半分に割って焼いていく。
3品目完成。
ここで記事を書いていて気付いたが、僕の撮った写真はかなり暗い。 撮影をしているときには全然わからなかった。明るい場所にいたからか。 まだまだカメラを扱うのが上手ではないので、これからに期待してください。
ハンバーグだ
完成した3品を順番に食べる。
この時僕はかなりお腹が減っていたので、ハンバーグかミートボールかよりも普通にただおいしいと思ってしまった。 割れて崩れかけの挽肉に、焼かれて濃縮されたトマトソースが絡まりついていてすごくおいしい。 ミートボールに最も適した調理法は「焼き」だったのかもしれない。
そのあといま食べたものがハンバーグかどうか考えたが、ミートボールは割れていて形が団子状ではない。 それはもはやミートボールと呼べるものではなく、完全にハンバーグだった。 いい具合に焼けた表面の食感もハンバーグ感をアップさせている。
これは完全にハンバーグだった。
なんといってもデミグラスソースだ。これはもはや商品自体が狙っているとしか思えない。 しかも大きさもバッチリ。もうミートボールとは呼べない。
これもたぶん焼いたほうがうまい。
2品目が強烈すぎて、3品目はあまりハンバーグ感を感じられなかった。
ミートボールにからんでいた甘酢だれの面影はなく、ただのごま油のきいた肉味だった。 ミートボールを揚げた感じもあまりせず、他のミートボールとただタレが違うだけっぽかった。 レトルトで「揚げ」感を再現するのは難しいのだろう。
まとめ>
ミートボールは平たくして焼くとハンバーグになる。 特にデミグラスソースのミートボールは焼くと完全にハンバーグになる。
家にミートボールしかないけど、どうしてもハンバーグを食べたい時はぜひ試してみてください。 あとミートボールは基本的に焼いたほうがおいしくなるので、フライパンを使う手間を惜しまない人は焼いて食べてみてください。
最後に残ったミートボールを湯せん調理して食べた。
あのデカいデミグラスミートボールは焼かなくてもハンバーグだった。
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